『豚の大運動会』
白豚・黒豚の大運動会
白豚と黒豚の50メートル競走がいよいよ始まろうとしている。
白豚はメタボを克服し優勝を目指しているという声が上がる中、黒豚は減量の失敗という報告が大会委員に届いた。
本来、太れば太るほど褒められる豚のはずであるが、何しろ優勝すれば食べられずに、すむという権利が与えられる。
にも、かかわらず黒豚は減量できぬまま大会に挑むのである。
世界でも珍しい豚の運動会の話は、いつの間にか世界の一大ニュ-スとなり、当日会場には海外を含め、北は北海道から南は石垣島の最南端、波照間と、会場は黒山の人だかりである。
時計の針は刻々とスタート時間に迫りくる。白豚の優勝か、それとも黒豚の勝利か、優勝を勝ち取り、一生安泰の時を過ごすか、それとも、おでん屋の「テビチ」となるか、そば屋の「三枚肉」となるか、命をかけ「白」「黒」をつける時がもう目の前である。
スタート三分前・二分前・一分前・・・・・・5.4.3.2.1.GO、スタート、色白美しゃん「白豚」目眉美しゃん(黒豚)絶好調のようだ。
記録更新なるか、抜きつ抜かれつつ、38.5度、炎天下のなか、ブウブウと声を上げ、ひたすらゴールを目指す白豚、黒豚の戦いがいま、始まった・・・・・。つづく
八重山古典民謡研究学会 研究生 下田 幸枝
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